アステリスク
」のレビュー

アステリスク

鳥野しの

輝き続ける大きな星と小さな星

ネタバレ
2022年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の瞳のキラキラに吸い寄せられるように読みました。
【Asterisk(*星印)=古代ギリシア語の「小さな星」を意味する言葉に由来】

みなさんからクズコール出まくってる七央、才能とオーラを持つ欲しいものを我慢しない自由人って感じがしました。
バレエにひたむきで、その他には無自覚で無頓着で無節操(あ...やっぱクズだ笑)。
もしかしたら、こういう人は一定数いるのかもしれませんね。
それでも曜一にとっては、どこにいてもすぐ見つけられる大きな星です。

好きな人とはじめて繋がれたこと、求められること。
一方通行だと自覚しながら幸せだとも思う曜一...うぅ切ない。
「ナナオの安心毛布」からもわかるように、七央は(潜在的に)曜一をずっと大切に想ってた。
甘えすぎだけどな!
七央の何気ない言動には私も一緒に傷つきました。
あのときは逃げるしかなかった...。

『ジゼル』のアルブレヒトは踊り手の役作りや解釈によって物語の味わいが変わるほど重要な役だそうです。
これを2人のターニングポイントに合わせて演じるのだから、もう少し物語と絡めてほしかったな。

12年とかあまりにも長すぎる...。
ずっと第一線って可能なのか?と、余計なお世話ですが調べてみました。
バレエダンサーの引退は40代なんですね、無知で失礼。
でも七央も曜一ももうあの頃とは違う。
2本のオールで前に進み続けていけるよね!

曜一の「曜」は輝くひかり。
小さな星をどうか見失わないように。
(2018年3月/184p)
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