スモールワールズ刊行記念〈特別ショートストーリー〉「回転晩餐会」
一穂ミチ
このレビューはネタバレを含みます▼
「イエスかノーか半分か」で大ファンに。
一穂先生の一般小説、まずは無料で読めるこちらから覗かせて頂きました。
閉店が決まった回転展望レストラン(懐かしい)を訪れる老婦人の過去。
人間、情熱(あるいは絶望)、そこに見える景色まで、やはり面白い話を上手いこと語ってくださる作家様です。
「イエスかノーか」でも番外編の3、4あたりはもう殆ど一般小説と変わりない重量感ですが、やはり上手い。
この短さでも、登場人物たちの人生のこれまでの秘密に驚かされ、これからも続いていくであろう彼らの未来までそこにあるようで。
一穂先生の作品って「まるで本当に彼らがそこで生きているかのよう」な世界を多彩な言葉で描いて見せてくれる。
これって小説では案外難しいと思いますよ。特に私のように歳を取った読者には。彼らが今もこの世界のどこかで生きている、そう思っただけで笑顔になれたり元気が出たり。そういう仲間が出来る感じを、一穂先生の作品は与えてくれる気がします。
本編は紙で買います!
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