午前2時まで君のもの
」のレビュー

午前2時まで君のもの

奥田枠

深くて痛くてあたたかい。

ネタバレ
2022年2月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ あらすじは紹介通り、試し読みの部分から少しだけ行ったり来たりして始まります。事故でその日しか記憶を保てなくなってしまった道夫くん。学生時代から好きだった恭一くんとは親友(と思ったまま)で灯さんという女性と結婚してます。彼女については記憶はなくて、毎日初めましての状態。逆に恭一くんとはその日限りの記憶だけどえちをする関係。このお話の中でキーマンはもちろん灯さんですが、正直、BL好きには、え?女性と結婚してるの?!って思うと思うのですが(私も思いました)読んで見るとそれほど嫌な存在ではないです。むしろ重要で、彼女がいたから道夫くんと恭一くんは最終的には結ばれるし、お話の中で、恭一くん以外を好きにはなれないんだって道夫くんが気づくことになるんだと思います。それでもまぁ、辛い役回りですよね。ただ、彼女にも多少の打算はあったし最終的には受け入れられなくなってしまったわけで。無償の愛ではなかったということなのかなぁ。逆に言えば、恭一くんの方が道夫くんが結婚しても変わらずそばにいて献身的とも違うけど、道夫くんへの愛情の深さを感じます。結局、お互いが好きだと気付き一緒にいることになる未来は、道夫くんが昔望んだ未来だったんですね。遠回りしたけど、遠回りしなくちゃ辿り着けなかった場所なんだと思います。こんなにダラダラと書いてしまいましたが、手放しでオススメするかと言えば、そうでもないかも(汗)レビューのタイトル通り、深くて痛いお話だと思います。でもあたたかい。だから読後感はいいんですけど、なんとなく自分がいい歳になっているから受け入れられたお話な気もします。読み応えがあります。さて、ここからはものすごーく個人的な感想なんですけど、出てくる駅の名前と姿にめちゃくちゃ見覚えが…。作者様はなぜこのマイナーな駅を選ばれたのでしょうか?(汗)恭一くんの家から道夫くんの駅までの行く道がリアルに想像できてしまい、読みながら困りました(笑)
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