このレビューはネタバレを含みます▼
2作品入っています。
外資系金融で営業職の時田と上司の香山、仕事のやり方も人間性も対照的な2人が駆け引きと葛藤から徐々に恋に落ちていく様子が見ていてグッときます。
上昇志向の強い時田は真面目な上司(香山)がゲイと知り利用しようと企むも、大人な香山には見透かされていて。だけど、そんな2人の駆け引きがいつの間にか気になる相手になっていく様子はまさに大人がハマる恋愛そのもの!恋愛に慎重な香山が恐る恐る時田にはまっていく過程も、いい加減だった時田がこれまでの自分とは違う面を見せていく様子も実に読み応えがあり、ラストで香山が素直に好きだと言える場面ではようやくお互いが素直に向き合ったように感じてなんだか泣けてきました。巻末では2人のその後の日常が。お茶目な香山にニンマリ。
他、小会社へ出向した社員とその同僚のお話。本社から出向して不貞腐れているかと思いきや子会社への愛が詰まった訴えがすごくよかったし、見ている人は見てくれているんだねと安心できます。
2作品とも恋愛だけでなく働く男達の哀愁もあってのめり込んで読みました。私の中では「やさしいあなた」と同じくらい好きな作品です。