このレビューはネタバレを含みます▼
作者様買いです。ジョゼ先生の世界観がホントに優しくて大好きです。
取り壊し決定の旧校舎に、学園の七不思議があるという…
生徒会長である清人が、イタズラを確かめに行って出会った謎の男。学園の用務員として旧校舎にいる七郎は、なんと清人の亡くなった兄の友人だった…
七郎が旧校舎の取り壊しを引き伸ばそうとする想いが優しくて、心にじんわり沁みてくる。
亡くなった清一の未練とは。
清人が意地をはって、兄に優しく出来なかった後悔。
それぞれの想いが交錯する中で、心の中にある感謝や愛情や謝罪や伝えるべき事の大切さを、痛切に感じます。亡くしてから、失ってからでは遅いのだと。
今、生きてるこの瞬間、大切な人との時間を大事にしないとなとしみじみ…
清人を大切に思う兄清一は、いつも穏やかに見守ってくれていて、弟の気持ちを汲んでいる。
寄り添う心と歩み寄る気持ちが重なった時、涙がポロポロと。本当に優しい愛情が見えた瞬間でした。
兄が残した未練を自分なりに考えて思いやった清人の心根も素敵で、自分の中に芽生えた感情を押し込めてしまった切なさがチクチクします。が…
さすが、弟が可愛くてたまらないお兄ちゃんのアシストがナイスでした。じゃあ、清一の心残りとは?
それぞれが、大切な言葉を伝え合い、こちらの気持ちもほっこり温かくなる。
安心したかのように、清一が姿を消してしまった時、また涙がハラハラ零れました。空の上からお兄ちゃんは見守ってくれているよ絶対に。
誤解も解けて、清人は勇気を出し、憎からず思ってた七郎もその手を取りめでたし、めでたしで良かったぁぁぁ。
が、まだ幼さが残る清人に手を出す事をセーブする大人な七郎。もぉ、出しちゃえ。出しちゃえ。
抑えきれずのちゅう止まりで、まだ恋人ホヤホヤの可愛いさです。続編無理だろうけど、進展が見たい。
スッゴい素敵な作品で、ますますジョゼ先生が好きになりました。