ダブルフェイスにくちづけ【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】
」のレビュー

ダブルフェイスにくちづけ【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】

柳瀬せの

最高過ぎるよぉ。

ネタバレ
2022年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごいです!せの先生初デビューコミックスの物語の完成度の高いこと!とっても面白かったです。
今作品の絵はまだ少し若くて、身体つきのバランスなど不安定さは見えるんですが、顔の表情は美しく、吸い込まれそうな輝く瞳は当初から綺麗だったようです。(二冊目の単行本となる『獅子の踊り子』では更に絵柄が美しく進化されてます。)
そして本題の物語は…暗殺対象者と暗殺者の禁断のラブロマンス。マフィアの若きボス・アレックス×気高く美しい日本人暗殺者・カナタ。アレックスの先代が残した『資産』を巡った抗争を元に、目まぐるしいジェットコースターのような展開が面白いんです。
マフィアの抗争や暗殺と言っても、若い構成員で一見ヤンキー同士のケンカ上等くらいな様相です。が、内容的には裏社会の汚いマフィアが仕掛ける暗殺なので…
カナタに惚れた男としてのアレックスの口説きと、それぞれの思惑、駆け引き、取り引きとハラハラ、ドキドキです。そんな中での惹かれていく様がキュンとするけれど、そうは簡単には行かないから面白い。気まぐれな猫のようにとらえどころのないカナタ。獲物を逃がさないハンターのような本気を見せた瞬間のアレックスの表情にゾクゾクします。
暗殺者カナタの壮絶な過去が、今あるカナタを作りあげてしまった事が哀しくてたまりません。裏社会を憎み、身も心も削られるカナタが辛すぎます。自由が欲しくて、自由を手に入れた籠の鳥は帰る場所さえないなんて…
孤独に生きて来たカナタが、恋心を持つ自分を認めたくないというのも、それほど簡単に変われないのもわかる気がしました。気持ちを否定しながらの葛藤が切ないですね。
そして、敵対する組織をぶち壊すためのアレックスの大博打が、見事で壮快でスカッとしました。『資産』を守り、カナタを守り、最高の男です。大切に守り抜いた『資産』の正体も素晴らしかったです。
もう、これは観念するしかないよね?カナタ。認めちゃいなさい。気まぐれな子猫ちゃんが、素直に愛される姿が可愛くて、愛し愛されの幸せエチでズブズブエチでした。そんな可愛いことも言っちゃうのね~。
まだまだ翻弄したりされたりしそうな二人ですが、幸せになれーーーッ。
めちゃ面白かったです!
いいねしたユーザ19人
レビューをシェアしよう!