お金ならあります【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
桜庭ちどり
このレビューはネタバレを含みます▼
●作者さん、○○ボイスのシリーズがよくオススメされているのを拝見しますが、シリーズものはなかなか手を出せないので、こちらを拝読してみました。仮タイトルだったということですが、これ以上ないくらいピッタリです。いや、「お金もあるし、愛もある」ですかね！
●お話の大筋は王道かもしれません。元彼に借金の保証人にさせられて逃げられ、デリで働き、お客さんと出会って恋をして救われる…という。最初はお金でえっちしてみよう！だったはずなのに、慎一郎が慣れてなくて全然できなくて、でもよだか（本名たかや）の笑顔と心の綺麗さに惹かれていく…というのが良いです。
●たかやの方は結構壮絶。幼い頃の家庭環境が悪く、元彼は暴力も振るう人で、怯えて謝るクセがついちゃってる。なんてこと…。慎一郎はすごくすごく優しい人だけど、それでも多分たかやは「この人を信じていいんだ」って思えるまでたくさんハードル越えたんだと思います。
●二人がすれ違うところは本当に胸が痛くて。慎一郎の方も、たかやの全てを受け入れるのに越えなきゃいけないハードルがあったんですよね。でも最後は「たかやの笑顔を守りたい、そばにいる」に立ち返る。
●個人的な考えですが、お金あるなら使えばいいと思うんですよ。自分が信じてることに。大切なことに。そこに愛があるなら。私は慎一郎の決断に拍手を贈りたい。その後頑張ってバイトでお金稼いだたかやにも、もちろん拍手です！お給料袋握りしめて、いい笑顔でした。
●絵も好みだったので、すごく細かい話ですが、帯なしの表紙イラスト欲しかったですね…。たかやはずっと健気でかわいく、慎一郎はどんどんカッコよくなっていきました。良かったです。
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