30歳目前で童貞を卒業したいとお金でプロの子を買った堅物な男が、その子に恋をしてしまいどっぷりハマっていくお話。
よくある設定、展開で、慎一郎が騙されてしまうのかどうかをずっと気にしながら読みました。結果もありがちなものでしたが、慎一郎とたかやの心の揺れ動きを丁寧に描いているなと思いました。たかやは最初の印象こそ大人っぽく手慣れている感じでしたが、本当の気持ちを隠しきれなくなるにつれて徐々に年相応の雰囲気になったし、慎一郎は経験なしでワタワタしていた感じから、すっかり大人の男に成長していく姿が描かれていて、プロと客としての出会いから二人の関係が強固になっていくのが良く伝わってきました。お金が第一である世界線において、お金では買えない大事なものを見つけられて良かったなと思える作品です。