どこを切り取っても物語になる。

2022年2月28日

「キス、シロップ」
双子の兄亮司のお話。自分の性的指向を認められずに悩む表情と、その欲求を満たして欲しいと渇望する目。そのちぐはぐさが堪らない。
素直に欲しいと言えなくてプルプル震えている子供みたいでかわいい。抱きしめてなんでも与えたくなるようなそんな気に岸田さんもなっちゃったんだろうな。
2人のキスシーンはとびきり甘くて優しい。萌え過ぎて泣きそうになるくらい好きです！
あと舞台となっているマンションの階段の踊り場が良いんですよ。縦格子なのでそこで起こった物語の発端となる出来事も全て丸見え。レトロな雰囲気もあるこの演出が草間先生らしいなーって思います。
表題作
双子の弟サトシの話。紛れもない肉食獣ですねこの人。ただ安藤くんが見抜いて泣いちゃうくらい怖いけど悲しい生き物。
安藤くんがいなかったらどこか寂しい野原で一匹で餓死しちゃってたんじゃないかと思う。
そんな弟の気も知らず無邪気な亮司がまた可愛い。
他短編二作も大人の恋のままならない駆け引きが愛しくて魅力的な作品。
2005年頃の作品が1冊になってるんですね、草間先生の作品はどれをいつ読んでも草間先生らしさしかないのが流石というか。ブレない先生の萌えが感じられてかっこいいですね！大好きな作品です！

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あーしゅさん

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