皇帝と宦官【コミックス版】
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皇帝と宦官【コミックス版】

日野晶

何とも、すさまじい世界。

2022年3月4日
初っぱなから凄いシーン。
うわっ、痛そうどころではありません。実際あったであろうシーンに言葉を失いました。尿が外に出ず亡くなった者もいたりして、全て安全成功でもなかったようです。
生きて行く為、一人の皇帝の為、権威を手にする為の捨て身の覚悟を憐れと感じましたが、おバカなのか、本当の聖人かわからない海燕の明るさが唯一の救いでした。あの国の、あの時代を荒くれることなく軽やかに生きて行けるのは、ただのあきらめではなく、独特の才能でしかありません。
生まれ落ちた時代、場所により、無限の希望か無限の絶望に色分けされてしまう人の運命の怖さ。それを決めるのは、人ではない誰か?何か?なんて、平和な場所と時を与えられる身だから、呑気に問えるというもの。絶望どころの話ではないからこそ、海燕の臆面もない宝物のような笑顔は、今を生きる私には師匠であり、背を押してくれる風でした。
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