In Between~迷わず、彷徨う者~
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In Between~迷わず、彷徨う者~

一樹らい/W.Ruiz

作品を読んだ後に…

ネタバレ
2022年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 他の方のレビューで触れられていない点について書こうと思います。
ネタバレ注意というかこの作品の解釈っぽい内容なので、作品を読んだ後にひとつの参考程度に…。

ほとんどの方は、新薬の開発や承認に関する問題や、製薬会社の主人公と小児病棟の子供たちとの泣けるストーリーについて触れていますが、私は、これは輪廻転生とツインソウルを土台とした作品であるなと思いました。

人には皆ツインソウルという魂の繋がりを持つ人がいて、現世では家族だったり、仕事仲間だったり、この作品のように製薬会社の社員と小児病棟の子供だったり、何かしらこの世で学んだり何かを成し遂げるために、ツインソウルであるという記憶は消されて生まれてくるという考えです。

遥馬の死は非常に辛い出来事ですが、遥馬の存在が御陰の製薬会社社員としての生き方を決め、その後多くの子どもたちの命を救う薬を開発することに繋がります。

人はこういった使命を持って、生まれて来る前に片方が最初から死ぬことも決められて、片方の学びと活動のために生まれて来るというような魂の繋がりを持つ存在がいるという考えです。

輪廻転生のうち、それがどんな関係になるか、どういう使命を持つかは毎回違っていて、この作品のように大きな使命を持つケースもあれば、ささやかな人生を送るといったケースまで様々です。

193ページで「次はもっと長くいたいなー」「さあ、それは神のみぞ知る、だな」と言っているコマに描かれている、2人組の多数の絵は、あの世で次の生を待ち受けるツインソウルたちの絵です。

今回は、遥馬は早くあの世に戻ってしまったけれど、次に現世に行く時は御陰ともっと長くいたいなーと、次の生まれ変わりがあり、また2人が引き合うことを前提に会話しています。

あの世で2人はマラカイトの石を持っていますが、「魂で引き寄せる、たとえ底なしの海に沈んでも、虹の彼方に行ってしまっても、緑と青は呼び合う、何度でも」というマラカイトの唄にも、輪廻転生とツインソウルのことが表現されています。

感想というより解釈文のようになってしまいましたが、もしかしたら、なるほど!と思ってくださる方もいるかなと書いてみました。
(こんなにつらつら書いて、作家さんの意図と違っていたらごめんなさいですが…。)
読み放題対象。総216ページ。
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