銃座のウルナ
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銃座のウルナ

伊図透

鳥肌が総立ち

ネタバレ
2022年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ めちゃくちゃ面白い。予想だにしない展開に、何度も衝撃を受けます。何気なく買ったのにここまで面白いとは…。ベタ褒めしかない。金額気にせず一気にぶっ込みました。
序盤は、純白の闇に覆われた極寒の戦場で奮闘する女軍人たちの架空戦史。故郷を愛する新米スナイパーが主人公です。戦ってるのが怪物というか歯ぐき…?かなり残虐なシーンが多くてドキッとします。
ファンタジー色の強い1巻に、現実が見えてきて戦況が苛烈になる2〜3巻。一転して戦後の日常、穏やかだけど波紋が起こる4巻(ここ最高)。戦争の記憶と傷から悲しみに染まっていく5〜6巻。完結巻は主人公の覚悟と、どこか寂しくも長閑なラストでした。
情景の色や音、風、空気や温度まで伝わってきて胸が締め付けられました。しばしば郷愁を誘われる美しさが有り…。湖面の穏やかな町も良いけど、こういう白銀の世界に身を置いてみたいとも思う。
自分の郷里は白じゃなくて真っ黄色。秋になると街中が黄色く輝き、敷き詰められた落ち葉と降ってくる落ち葉で空も地面も、幻想的な黄金パノラマになって大変美しいのです。(まぁ同時に臭いんですけど。) 実家には帰りたくないのに無性にこの情景の中に帰りたくなりました。
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