ホームドラマしか知らない
」のレビュー

ホームドラマしか知らない

都戸利津

心に灯がともりますよ。

ネタバレ
2022年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 良い兄弟だなぁって思いました。親にぎゃく待された経験のある義理兄弟が 血が繋がってなくても、ちゃんと 普通の日常の中で、兄弟として繋がっていく様子が 描かれた内容で、心が ほんとに 熱くなりました。作者さんが 描きたかった普通の日常に、悪い人たちは 誰も出てこず、兄の背中のぎゃく待の痕さえ、描写はなくて、ただ 記述されている(語り部になっている弟の語りの中で そういうくだりがあるだけ。)だけで そういうところ、先生のアイデアの一つじゃないかな、って思いました。先生が 描きたかった普通の日常にぎゃく待の痕は必要ないな、それを描くことによって、悲しい気持が 浮かび上がるものな、って思いました。二人の周りの人たちの温かさは 弟が成長していく上で めちゃくちゃ糧になっていたし、彼が 語り部になることで、彼の心情の変化が ことごとく わかったし(想像しなくてもよかったし)ちょっと 大人になれない、めちゃくちゃ芸術肌の兄を自由に動かすことにも 成功したんじゃないかなって思います。とにかく、お兄ちゃん、自由に、楽しく 生活していたもの、ふふふ。弟想いの兄と兄想いの弟の素敵なお話だったと思います。また、すぐ 読み直そう―。
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