インディゴの気分
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インディゴの気分

丸木戸マキ

三人の男の生き様どれも正解(ネタバレ過多)

ネタバレ
2022年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めての作家さん。「オメガ・メガエラ」「ポルノグラファー」共に早々に離脱(ゴメンナサイ)。自分には合わないかと思ったが、インディゴの響きも色も好きなので本作買ったら大当たり!BLと言うより人間の葛藤を描いたヒューマンドラマ。編集者城戸目線で書かれた売れない純文作家木島がエロ作家になるまでの物語。作家志望だったが、圧倒的な才能を前に打ちのめされ挫折、エロ雑誌の編集者となった城戸の前に、夢を諦める引き金となった木島が現れる。既に彼は書けなくなって日々の金にも困っていた。そんな木島にエロ小説を書くよう勧める。多分、凡人ならかつて敗北を喫した木島の落ちぶれた姿を嘲笑って満足したかも知れない。だが城戸は、自分を諦めさせた才能が枯れることを許さなかった。憧れであり嫉妬の対象であり今の自分がある理由でもある木島は城戸にとって分身のような存在なのかも。一方、木島は官能小説大家の蒲生田の弟子になる。プライドだけは高く夢と理想を求め現実を見ない捻くれ者が、蒲生田の生き様を目の当たりにして、蔑んでいた官能小説に真摯に向き合う。そして蒲生田に父を重ね、父と向き合わなかった後悔を昇華させる。どん底の自分を救った城戸に対して、木島は恋愛感情が湧いていたと思う。だが城戸にとっては長く囚われていた天才木島から、また卑屈になっていた自身からの解放だったのだろう。腐れ縁の友人が楽な距離感だったのかな。「ポルノ…」読みますw
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