このレビューはネタバレを含みます▼
過去、現在、未来とざっくり3部構成のような感じで進んでいきますが、恋愛要素や、サスペンス要素、人間の愛憎劇が折り重なっていて、読んでいて飽きませんでした。確かに、自分に置き換えて考えると中学時代にユウスケに会っていたら、まず一生許せないし、○ねって思っていたのだろうけど、一ノ瀬さんや、会澤くん、シュウが憎しみきれなかったのもすごくわかる。自分なら絶対許せないけど。でも、それくらい斎藤ユウスケという人間には人を惹きつける魅力があって、それを存分に描いた作品だったと思います。完全な善人も、完全な悪人も本当はどこにも居ない。その通りだと思います。ただ、細いところで、担任何やってたんだ?学校どーなってんのよとか、お母さんせめて息子が夜家出てくの止めようよとか、ドリルで手に穴広げてもそうはならないだろとか、警官撃ち殺した部屋と監○部屋はどこだったの?とか、警察が裏も取れてない相手一方的に殴ったのに免職にならないのも、え?ただ人として受け止めるためでいきなり今までなんの恋愛感情もなかったのにワンナイトで子ども作る?とか、きっと最後謎を解き明かすためのキーで斎藤ユウスケを全く知らないけど感謝している人物がストーリー的には必要だったんでしょうが、ちょっと納得いかないなというより違和感だなとかツッコミどころは満載でしたが。個人的に一番納得いかなかったのは、許されない罪はない、過去の罪は許されるべきなのよって言っていた部分でした。快楽のために何人も虐殺した人とかは、やっぱり一生許されるべきではないと思うから。ここも、人によって感じ方も考え方も違うのだろうなぁと思いました。結局は自分がどう思うかなんでしょうね。そして最終的には、私も斎藤ユウスケに魅了されていました。もっと生きて、一ノ瀬さんと過ごして欲しかったな、と最後は涙が出ました。とても面白かったです。