嫌いな奴とくっつく魔法にかかる話
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嫌いな奴とくっつく魔法にかかる話

タロ名

どんどん可愛くなる久我くんに☆10!

ネタバレ
2022年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作「いじめられっ子がやり返す話」で、いじめをした男子と受けた男子のスリリングな関係を描き注目していた作者様の2冊目のコミックス。しかもケンカップルに黒髪垂れ目キャラという大好物の組合せ、新作見つけて即ポチしました!
前作でも、CP2人の根っこの性格の良さが難しい題材ながらも愛情に転じる理由に説得力を与えていたところは今作の2人も受け継いでて良き。更に絵柄がシャープになり、画力も上がっている〜!
ケンカップルといえば、顔を合わせればツンケンしていた2人の関係が変化し、それを自覚した瞬間が醍醐味。今作は大学デビューした久我が、なぜか嫌いな同室の五十嵐と触れた手が離れなくなるという魔法にかかっちゃう…この設定、侮れません。この設定によって今どきの大学生男子なのに、否が応でも物理的距離が縮まり、それにつれてそれまで知らなかったアイツの体温や人柄を知る…という効果が生まれ、ツンツンしてた久我がどんどん可愛くなる。そして後半、起承と進んできた物語が転じたときに、魔法かと思われた現象の由来となる都市伝説を知り、今度は近付きたくても近付けくなったことで久我が自分の気持ちを自覚するシーンが効果的に描かれるのです…。読者には五十嵐の一途な気持ちが分かっているので、やっと両思いかと思ったら気持ちを自覚した途端そのために触れられなくなる久我の姿に切なくなる瞬間です…。
前作がリアル寄りだったのに魔法?と最初は思ったのだけど、放っておいたら永遠にツンで終わったであろうノンケ男子をにBLに仕立てるにはありです。
最初はあんなツンケンしていた2人が最後はぺったりしているのが萌える〜!しかも、五十嵐が料理上手で、筋肉質で、溺愛で、久我もうっかり好きな気持ちが溢れて、ハッと気付いて恥ずかしがってデレるとかもう可愛い過ぎか!
多少ツッコミたくなる部分はあるけれど、魔法という新しい設定になになに〜?と最後まで惹きつけられたのと、ツンケンしていた久我くんが予想以上に可愛くなってたので☆5にしました。
前作のタイトル、ダブルミーニングだとか。今作も最初は手がくっつく魔法だったのが、最後は気持ちも身体もくっつくっていうダブルミーニングという解釈で合ってます?違うかな?
タロ名先生、登場人物の内面の変化をモノローグに頼らずに描いてその人柄も好感が持てるところが好き。これから作者買いしたいと思います。
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