ひばりが鳴いたらつかまえて
」のレビュー

ひばりが鳴いたらつかまえて

円藤エヌ

離れてた時間を埋める言葉

ネタバレ
2022年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●春先にぴったりの晴れやかな表紙が素敵です。総165P、本編は140P弱なので少し短め。もっと深掘りしてほしいと感じるところもあるのは否めません。でも二人を見てると、「好き」ってこういう感情だよなってきゅんとします。ちなみにキスまで。
●中学2年のときに引っ越していった志村。引っ越し自体は親の都合だっただろうけど、榎本に何も言わなかったのは、もう「好き」の自覚があったから…ですよね。なのに、思いもよらぬ再会。
●自分の身に置き換えて考えてみましたが、10代後半の6年程度離れてても、仲良かった友人だと当時の空気がなんとなく戻るものです。榎本はその感覚で志村に接する。でも志村は、高校中退して仕事してるなど境遇も違うし、何より友人として接することがつらい。当時の感覚でぐいぐい距離を詰めてくる榎本に対して真顔で「好きだよ」と言い放ったのは、「もうこれっきり」という志村の覚悟だったのでしょう。
●榎本は考えます。「好き」ってなんだ?って。自分にとって志村ってなんだ?って。ラブなのか分からないけど…と言いつつ、今志村に対して感じてることを一言一言大切に伝えた榎本はかっこよかったです。その気持ちは「好き」でいいと思う!
●最初にも書きましたが、さらっと流されてる部分は多いです。志村の6年間とか、三崎との関係とか。でも、榎本と志村の気持ちの方に焦点当てて、二人にたくさん会話させてくれたのは良かったなぁと思います。言葉にしなきゃ始まらない!
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