ペディグリー
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ペディグリー

丹下道

追いかけて行きます!

ネタバレ
2022年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 丹下道作品に初チャレンジ。その後『恋するインテリジェンス』を読んで丹下作品に魅了されて、もう一度こちらを読み返し、印象が変わったのでレビューを書き直しました。
ケモ耳の可愛さに一目惚れして購入。幼い二人の『約束』に既に心が奪われてしまいます。そして『高貴なる血統』で人外ヒエラルキーともなれば、とっても興味深いです。
アムールトラの血を継ぐ摩宗×蛇の血を継ぐ朱充。
異種間でありながら、血を絶やさない為のペアリングと交配。私の中では目新しくて、面白そうな予感。丸いフォルムのお耳とゆらゆら揺れるしっぽが可愛い摩宗。蛇の低体温な生態などもちゃんと物語に組み込まれてるし、約束の「ゆびきり」と蛇の交配を意味する「指切り」を掛けた話など細かく練り上げられてると思います。何よりキャラが魅力的ですね。大人の意地っ張りな愛らしさとでも言うかな。

一度解消されたペアリングに、傷つきながらも忘れられない両片思いの拗らせ愛。焦れ具合もいいし、好きなのに素直になれないツンツンも可愛い。しばらくずっとモダモダと平行線で、ホントに焦れがお上手なこと。
お互いに不器用で意地の張り合いで、素直になれない気持ちとてもわかります。ペアリングの解消がネックなわけですが、その解消理由にも納得いく。まだその頃は幼かったし、確かめ合うことさえままならなかったほど、傷ついてしまったんだね。誤解もすれ違いも大人になるほどややこしいけど、傷つくのが怖くて前に進めない弱さも伝わって来ます。
20年の想いは変わらず心の中に住み着いて、素直になりさえすれば…あぁ、もどかしい。余裕があるようで余裕なく、互いに翻弄される二人に焦れMAXです。相手を挑発しながら傷ついてるようで、ちょっと切ない。すれ違いに哀しむ朱充の切なさも胸が痛みます。誤解も何もかもが解けて素直になった二人がいいですよね。
気持ちが通じあってからのデレとイチャこらはとても微笑ましく可愛いのですが、エチは激しく攻めたててすごい。
書き下ろしは、どうした事か2ページ分、摩宗のお耳がありません。えっ!?隠れてるの?書き忘れ?
初体験の丹下作品ですが、文字が多く、老眼世代でスマホはきつい(笑)人物も極端に小さい時は『ウォーリーを探せ』の如く、コマ内を探して発見それを踏まえて、つぎなる新章を楽しみたいと思います。
個人的に、畑仕事を手伝っていた宗宏が好き。スピンないかな。
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