魔界王子devils and realist
」のレビュー

魔界王子devils and realist

雪広うたこ/高殿円

面白い!

ネタバレ
2022年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 雪広うたこ先生に釣られて購入。
最初の方の絵は今と少し印象が違いますが、後半は今と同じ美しさでさすが!
本当に絵の上手い方だなぁと思います。
舞台は19世紀のイギリス。
前半は天使や悪魔の出てくる、やや謎解きわちゃわちゃ学園もの(パブリックスクールがメイン舞台?)でしたが、後半は主人公のウィリアムの過去生(というか血縁)のソロモンと各天使や悪魔の因縁だったり天界と悪魔界との戦争やら、ややきな臭い壮大なお話になってきます。
『天使は正義、悪魔は悪』とは単純に言い切れず、天使も人工が増えすぎると戦争や厄病などで「人減らし」をするのを正としている。
悪魔の方が人間的っぽく感情が分かりやすくていいやつが多いのに対して、天使は理性で物事を判断し、人のような愛情に溢れた優しさは兼ね備えていない、冷たい感じで…
どちらが『良い存在』なのだろう?と考えてしまった。
少なくともソロモンにとっては天使こそが悪で、悪魔達の存在が慰めだった。
徐々に登場人物も増えてくるので時々こんがらがりながらも楽しく一気読み。
旧約も新訳もあまり聖書は昔少し読んだかな?程度で昔の歴史とかもぼんやり。ダンテの神曲も買ってほぼほぼ読んでないような私でも楽しめました。
色々分かってるともっと面白いのかも。
ウィリアムが秀才なのにアホでかわいいし、親友で超常現象大好きな変わり者のアイザックも天真爛漫ないい子、ウィリアムの執事のケヴィンも悪魔のダンタリオンも他の悪魔達もみんなキャラが立ってて愛おしい。シリアスなようで時折ギャグっぽいところも良かった。
ソロモンもウィリアムも1番好き(好きだった)なのは◯◯だと思いますが…
ソロモンは従えていた悪魔達に愛されていた設定で、ウィリアムもその愛すべきキャラも相まってソロモンが使役していた悪魔達みんなから愛されていて。
ややハーレム感というか、ふんわりとしたBL感があるので(でもエロは一切なし)そういうのとか天使とか悪魔とか嫌いじゃなければ楽しめるのでは?
ただ後半の数巻が特に展開が早くて頭がついていくのが大変でした。
もう少しだけ後日談をゆっくり描いて欲しかったけど、綺麗に纏まっていて面白かった。
ゲームとかアニメとか好きな人はハマりそうな気がします。
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