このレビューはネタバレを含みます▼
サラリーマンの森本新が男子高校生の恭介と恋愛するからＢＬではあるけれど、恭介を始めとする光代さん、時雄さんとの癒しの時間と新の再生を見守る話が大半を占めているからＢＬ作品として読むと少し拍子抜けするかもしれない。
でも、ストーリーとしてはきちんとできていて、時雄さんが好きな時代劇の勧善懲悪がキーになっていたり、ただのヤキモチエピソードに見えた雑談が最後に活かされていたり、新に降りかかった胸糞な苦難を吹き飛ばす巧さがあった。
苦しみや悲しみを抱えている新に胸を貸すよと言っていた恭介が時雄さんに役目を奪われたり、できませんでした……になる二人が面白かった。
現実世界で勧善懲悪は無理で終わるかと思ったら、ほんの少し希望が見えるラストだったのが無理矢理感がなくて良かった。
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