兄ちゃんの話
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兄ちゃんの話

池玲文

大好きな自慢の兄ちゃん

ネタバレ
2022年3月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●嵩大の弟・史嵩目線の前中後編+嵩大の彼氏・七緒(なな)目線の8Pで、総77P。なな目線のお話の中に少しえっちの場面があります。攻受は表紙をよくご覧下さい!(私はよく見てなくてどっちかなーと思いながら読んで、そっちね!となりました。笑)
●最初のカラーページがまだおばあちゃんが元気な頃の家族写真。ここから始まって、最後は史嵩の婚約まで、長い時間の中で史嵩が見てきた「自慢の兄ちゃん」の話を聞かせてくれます。母子家庭や介護、家族の中でのゲイの立場などについて、かなりしっかり描かれてるお話でした。短いのにすごい…
●逆に言うと、短い中で次々に出来事を追いかけてるので淡々とした感じに見えるかもしれません。でもその中に感情のぶつかり合いが何度もあって、胸がギュッとなります。おばあちゃんが亡くなったときの嵩大の涙、七緒とのギクシャク、母親が嵩大のことを知ったときの反応、そのときの史嵩の言葉…
●最初こそ兄ちゃんを取られた気がしたのか、男同士で…とモヤモヤしていた史嵩ですが、嵩大はずっと自慢の兄に違いなく、その兄の姿をよく見ていて、本当に優しい弟なんです。兄ちゃんのことが大好きで、自然体で笑顔でいてほしいって思ってる。史嵩が母親に対して放った言葉は、嵩大は本当に嬉しかったと思います。私も嬉しかったですもん…心の温まるお話でした。
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