Sugar in my Coffee
」のレビュー

Sugar in my Coffee

北畠あけ乃

予想外の展開だった(良かった!)

ネタバレ
2022年3月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●表紙とあらすじと立読みで、カフェでの甘くてかわいい恋のお話…かと思いきや、なかなかビターでした。みんな言葉少なだったり遠回しだったりでハッキリとは語らないですが、私は逆にそのしっとりと読ませる感じが好きでした。再読すると、序盤のセリフや表情がまた違った感じに読めます。
●時々優しさを見せてくれる楠木に、千種は軽いノリでキスを仕掛けます。するとディープなキスと皮肉で返り討ち。どうなるんだろうこの二人…と思ってたら、今度は同じノリでsexに誘うんです。おっと急展開…
●千種は、自分の立たせ方が分からない。今の自分が寂しいのか辛いのか、男なのか女なのか、この気持ちが「好き」なのか何なのか…ふわふわしていてとても不安定。仮面のように張り付いた笑顔に、楠木はもしかしたらずっと気付いていたのかもしれない。だから放っておけない。
●仮面の笑顔で誘われたsexに、楠木は乗ります。自分を粗末に扱いたがる千種に加担した。なぜそうしたんだろう…千種のために良かれと思って?千種の危うさに惹かれて?…でもこのとき千種が流した涙は、喜びの涙ではなかった。
●このあとの展開すごく良いです。千種の事情の一端を知り、楠木の「放っておけない」が「大事にしたい」になっていく感じ。素直に話す千種に、楠木が落ちる感じ。「愛しい」の笑顔。ビターな中に、ひとさじの甘さ。
●描き下ろしは本編中の一コマ、二度目のえっちの場面です。このとき流れたのは「好き」が溢れた涙でした。良かった!
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