ロッカバイディア
」のレビュー

ロッカバイディア

暮田マキネ

苦しみがダイレクトに伝ってくる

ネタバレ
2022年3月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 暮田マキネさん作品で一番好きです。辛い幼児期を経て、養子になったという生い立ちの累が、過剰に良い子でいなければならないというプレッシャーを背負っていて、その気持ちの捌け口・助けを求める先になっていた八尋とのことすら両親を失望させる種となってしまうと恐怖する気持ちがひしひしと伝わってきました。
母親に「お嫁さんを連れてこれない、孫の顔も見せてあげられない」と泣きながら謝るシーンは読んでいて同じく涙が込み上げてきました。
周りの登場人物がみんな温かく累の味方で、幸せな後日譚もあって最後はほっこりした気持ちになりました。
恐れの原因にもなってしまった弟の誕生ですが、しっかり話し合えた後からはむしろ弟という存在に癒されたのではないかなぁと嬉しくなりました。
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