このレビューはネタバレを含みます▼
完結を心待ちにしていました。育郎や蘭蔵さんが救われることを願っていましたが、救われたのかな?双方スッキリしていたようだし、良い悪いの分別のない世界ですが、登場人物たちがあまりに不憫なので、皆がそれぞれの幸せを見つけてほしいと思っていたし、これで良かったのだと思います。BLなのであり得ないですが、さち子と幸せになってほしいと願うほど、途中典彦の対応は酷かった!そして、そう願ってしまうほど、さちこは男前でした。ここまでBLで存在感のある女性って母親以外でなかなかないんじゃないでしょうか。
でりこ先生が22話冒頭と26話を加筆修正したとおっしゃっていて、26話が掲載されているonBlueを持っていたので、比較しながら読んでみました。雑誌の方が育郎の気持ちがよく伝わってきて、単行本の方が典彦の気持ちの比重が多いと感じました。(でりこ先生も典彦の心情が足りないと呟いておられ)多分、伝えたいことは同じなんだと思いますが、雑誌の方が爽やか、というか優しく感じました。それは、愛している、と言葉で伝えているし、典彦の物足りなさもモノローグとして無いからかな、と思いますが。
典彦のそれは本当に愛なのか。育郎も本当に典彦を愛しているのか。愛って執着って何?と色々と考えさせられてしまう作品です。
とにかく引きずってるので、番外編を読んで笑おうと思います。