地獄行きバス
」のレビュー

地獄行きバス

明治カナ子

余韻が心地よい。

ネタバレ
2022年3月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 坂の上の魔法使いがとても良かったのでちょっとずつ明治先生作品読んでます。
坂の上の〜でも思いましたが、物語が始まる時の期待のもたせ方、最初からグッと読者の心を掴むのが上手い作家さんだなと!
表題作〜「なにもいらない」
予想していた展開とは違うオチが最初にドンとくるので面食らいますが、このエピソードを持ってくる事で2人の深い関係性が印象付く。
修のカンちゃんへの執着、怖いくらいの気持ちを知っても離れないカンちゃん。
趣味も性格も正反対の2人がこれからも一緒に生きて行く、真っ直ぐではないけど確かな道がちゃんと見えるお話にほっこりしたりキュンとしたり。良かった!

「夜の女王」〜「未来には」
夜1人で眠れないトラウマ持ちの貴志といとこの輝、デリヘ ルボーイのヒラ。3人の交わりそうで交わらない不思議な三角関係がどう転ぶのかそわそわ...。
恋なの情なのか家族愛なのか色んな言い訳しながらも、離れられない関係が切なかった〜。
そしてラストシーンがめちゃくちゃ素敵!
ハッピーエンドというよりは、恋が動き出す瞬間を切り取ったような絵と余白がこれからを想像させて泣きそうになった。
各話のタイトルも好きです。見返すとそれだけでまた読後の余韻が蘇えるような。
あと、2作品とも修正が甘い!!ほっこりした絵柄とのギャップが妙にエロい〜!そこは期待してなかったので嬉しいですねー!満足の1冊です!
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