サチのお寺ごはん
」のレビュー

サチのお寺ごはん

かねもりあやみ/久住昌之/青江覚峰

合縁奇縁☆祝完結☆

ネタバレ
2022年3月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心が和みました。非常に手が込んでいる作品で読み応えがありますし、読み返す度に温かみを感じます。

他作品の『めでたく候』のおまけのコーナーで『大聖護国寺チャンネル』YouTubeが紹介されていて、漫画監修に携わっていらっしゃるお坊様方のお話から本作品を知りました。読み手が通常知り得ない監修の裏話も聞くことができました。(お坊様の口からよもや「プロット」や「ネーム」といった専門用語を説明頂けるとは思いませんでしたので、驚きましたが新鮮な感じがしました)

お話は主人公のさっちゃんと唐丸君のひょんな出会いから端を発します。そのご縁でさっちゃんが縁泉寺住職源導さん達と精進料理を作りながら仏教に絡めたお話を聞き悩みを解消していくのですが、そのレシピと仏教的なお話がお坊様の監修を受けているそうです。作中で出てくるレシピはかねもり先生も実際にご自身で作った上で描いてらっしゃるとのこと。
故にどのお料理もリアルで美味しそうなのですね。

個人的に最も心に響いたのは「諸行無常」という言葉です。この言葉を聞くと『平家物語』の琵琶法師の語りが聞こえてきそうですが、源導さんとさっちゃんのやり取りで「この世の全てのものは常に変わり続け同じであり続けることはない。出会いも別れもどれも諸行無常。良い変化や悪い変化も諸行無常、常に変わり続ける」とありました。本作品の根幹にも感じます。
各話の精進料理と親しみ易い説法も斬新で学びがあります。そこに恋愛要素も含まれた爽やかな成長物語でもあります。
登場人物全員が素敵なので、全員に「サチ」多からんことを願います。
【追記】大団円のエンディングを迎え、感無量です。さっちゃんと唐丸君の前途洋々たる未来に乾杯!
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