紅匂ふ
」のレビュー

紅匂ふ

大和和紀/岩崎峰子

事実とかけ離れてる

ネタバレ
2022年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 現実の人をモデルとはっきり書いてあったので、巨匠大和和紀さん及びこの気の強い主人公さんがどう話の最後を落とすのかと気になり、最後の巻を買ってみましたが、他の自伝や芸者さんたちから実際に聞いた話とは違うありきたりなハッピーエンド結末になっていて
しかも、主人公は医師の旦那、つまり男に養ってもらっているという…
幼い頃のエピソードなんかは正直に入れてるからどうするかと興味津々だったのに、つまらなく残念でした。
祇園の不文律を思い切り破って赤裸々な自伝を書き、祇園では総スカン。私もコレだけは嫌だな〜という中国人女優がキャットファイトをする下品な映画『Geisha』にお墨付きを与え、漫画内でFujiyama Geisha=売◯婦に間違われて嫌だったという誇りは巨額の金儲けの前には忘れてしまうらしき主人公さんですが、
この漫画の、100年に一度の舞妓となるべく幼い頃から引き取られて目をかけられていたのに、置き屋に姉の息子とはいえ男をいれられ(普通の家でも、思春期の男女同士は、親戚間でも義理の兄弟でも、きちんとした家なら一緒には暮らさせないものです)、襲われそうになっても周りは格式や評判だけ気にして傷ついた心を癒してはくれず、トップのまま芸妓になっても祇園甲部の営業や未来に口を出す人権すらない、まさに、真の瑞まで女性は売り物と考えられていた花街でしたね。このエピソードが本当ならば、私も、祇園甲部を裏切りキッパリ対立した、その気持ちもわかるような気がしました。まぁ親御さんも、家も自前でない、耄碌するお年で梅子お姉さんに押し切られるようなお年のおふくおばあさんに預けたのが、危うかったですね〜危うく15で強◯され人生終わるところでしたね。山家にでも預けて、売り上げからお金だけ返すとかにすれば良かったのに。
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