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ジョゼ

ジョゼ作品の可愛らしさが詰まってます。

ネタバレ
2022年4月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『私の愛したツバメ』と二冊同時に発売されたこの作品。なんとデビューでいきなり二冊ってスゴい。
間取りも場所も違う2DKの部屋で、それぞれルームシェアする3CPの織り成す恋模様が、とても可愛くて良かったです。
『トマトとシソとマヨネーズ』:幼なじみの寛ちゃんとウメ。この二人の子供のころの思い出がめちゃめちゃ可愛くて好き~。
ずっとひそかに育てて来た恋心。幼なじみではいられなくなってしまった寛ちゃんの想いと涙が、ちょっぴり切なくて愛しく感じます。ずっと一緒にいるのが当たり前で、離れることを考えもしなかったウメは、その当たり前が恋とは気づかずに、だけど大事にして来たんだろうなぁと思えるんです。幼なじみから突然変わる関係の変化にキュンとしますね。
ベランダで大切に野菜を栽培するように、二人の恋も大切に育んで行きそうな優しいお話です。ジョゼ先生の描く男の子は、ハートをくすぐる可愛らしさがあってキュンとします。エチは事後の雰囲気と、あっ、これから励むのね~っていう感じのみです。

『シャツとシーツと洗濯機』:俺なんか、と恋も仕事も自信のない草壁と、仕事を頑張るきっかけをくれた草壁に恋した岩清水。お互いに心のスキマを埋め合って、満たされていく恋が素敵です。岩清水にぐいぐい押されまくりの愛されまくりな年上草壁が可愛いらしいんです。エチの直接的な描写がありませんが、なるほどタイトルびったりで、二人のやり取りがとても微笑ましくて可愛いかったなぁ。

『ソファとエス』:前の2作とはちょっとタイプが違うけど、ジョゼ作品の片鱗が伺える熱を帯びた作品です。周囲の望むように、いい人であるように振る舞う大原。自分勝手な期待と落胆の周囲の目にうんざりな仙太。お互いに関わりながら、それぞれの呪縛に解放されて、自分は自分なのだと自分らしくいられる相手に巡り会えたことは、幸せなことだと思います。しかもそこに性癖も絡み、熱量はさらに上がってゾクっとしますが、まだソフトな方かもしれません。エスの深みが出れば、もっとゾクっとしたかも?
三組とも、エチの描写はありませんがエチしてます。そしてそれぞれに書き下ろしがあって、ラブラブと可愛い後日譚でした!
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