このレビューはネタバレを含みます▼
はじめは檻に囚われていたのは蘭蔵。
蘭蔵の出てくるシーンはとにかく胸が痛くなった。蘭蔵の行動が初めは少しイライラすることもあったけど(病気なので仕方ないが)だんだんと、どうか幸せになって欲しいと読み進めるにつれて愛おしく感じるようになった。弟を思う姿には涙が出た。
一方の育朗は地位も名誉も手に入れていたのに、最終的には自らが檻の中に入ることを選んだ。対称的な兄弟の姿とぶっ飛んだ典彦の狂愛。
とても濃密な物語で一言では説明しきれません。言い表せない。闇BLとか官能的とかそういうワードで説明するには、惜しい作品です。あまりにも物語が壮絶で世界観が完成していてたった5巻で物語を全て回収し、まとめあげた作者の力量に驚かされました。
今までこんな作品は読んだことがない。重めの話なので、読み返すには気力がいるけれど、読んでよかった。読みごたえのある作品でした。