憧憬のアトリエ 合冊版【電子版限定特典付き】
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憧憬のアトリエ 合冊版【電子版限定特典付き】

ヒロハルヨシ

創作についての言葉に実感がこもってる

ネタバレ
2022年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ もおぉ〜お!絵がめちゃくちゃ美麗です!「美しく麗しい」。どのページ、どのコマを切り取っても美しくて見惚れてしまう。石膏像で言えばジョルジョかマルスか?
一方お話は耽美な雰囲気ではなく、男子高校生らしく(美術系高校)ハマったらソレしか考えられなくなるんか!っつーくらい激しくとろけるえちのオンパレード。だけどくどくないんですよ。絵の線が綺麗で飽きないのもありますが、主人公ふたりのバランスの良さがそう見せるのかも。
受けの鶴見くんのぐいぐいくる探究心の強さから始まる関係ですが、攻めなのに受け身で遠慮がちな樋口くんの、特別なモノを慈しむかのような丁寧な愛撫(これで童t…とか、ウソでしょ?!)が、ふたり、特に鶴見くんが当初目論んでいたいわゆる「追体験による創作」なんて物を、遥かに飛び越えたところに連れていく。
だいたい、知らない人の作品を見て興味を持つ時点で、もう半分以上その人のこと好きになってるでしょって私は思います。ましてや会いに行っちゃったり完成形が見たいと協力しちゃったり。
だから、先は読めていたし何の不安要素もなくハピエンだろうなと安心して読めました。
何より私が一番いいなあと思ったのが、創作についてのふたりの会話やそれぞれのモノローグ。実感がこもってて涙が出そうになるくらいわかる。
言葉にできない気持ちを形にしたら、出し切っちゃってもう残らないかって?まさかね、その程度だったら創作なんて続けられる訳ないんです。このふたりにとっては「好き」という言葉はあえて伝え合わないといけなかったのかもしれないけれど、それ以上に言葉にしなくても「好き」が溢れる作品を、ふたり違った形で作り続けてほしいなあっていう思いになりました。
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