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秋平しろ

今ひとつ...

ネタバレ
2022年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者買いです。
秋平先生の作品はどれも大好きなのですが、この作品だけはあまり共感できず、満足感や多幸感が今ひとつでした。

まず、十の心情がよくわからない。過去の家庭での体験について丁寧な説明がないため、なぜその様な仕打ちを甘んじて受けていたのか、どのようなきっかけでその様になったのか、事実の説明や心の描写も欲しかった。
また、この体験は十の人格形成に大きな影響を与えたりトラウマもあるはずなのに、静に愛されてあっさりと身体を許し乗り越えてしまう。
静の友達からされた事もあっさり許してしまうし、静本人も自分の好きな人に酷いことをした友達といつの間にか友達に戻っている。

本来はドロドロして黒い部分を、特に読者に納得させる事なく終わった出来事として扱いストーリーを明るく転換していて、説明足らずで読者が置いていかれている気が終始しました。

無理矢理1巻で終わらせず、2巻までかけてじっくりとストーリーに深みを出した方が良かったのではないでしょうか。

登場人物が皆興味を持てる人たちばかりだったので、それだけが残念です。
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