シリアス‥‥じゃない？！

いつ死んでもいい、人生終わった感ただよい彷徨うトヒコ。過去に辛いことがあった様子。そんなトヒコに声をかけ、家に連れ帰って優しく接してくれる会社員のユウさん。トヒコは優しく抱かれても、ある出来事のせいで鳴くことができない。トヒコが鳴けるようにいろんな快楽を与えるユウさん。いつもニコニコ笑顔で優しいユウさんは何を考えているのかわからない。でもトヒコは優しいユウさんを疑うことなく心も体も開いていく。読んでいてもユウさんが何者なのかさっぱりわからない。そして時折「え？なにこれ？」と、再確認してしまう独特の笑えるシーンが織り交ぜてあり、あれ？シリアスじゃあないのか？純愛か？なんだ？と困惑しかけたころ、ユウさんの真実の顔が描かれます。よくある設定のユウさんの真実なのですが、ユウさん特有の捉え方で新鮮味がありました。そして最後にもやはりクスッと笑えるシーンがあり、トヒコとユウさんの思惑は違うのにお互い幸せを噛み締めるシーンもあり、独特の雰囲気のあるおもしろい作品で満足できました。