あした虹がでなくても
」のレビュー

あした虹がでなくても

きはら記子

あー!良い!!

ネタバレ
2022年4月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●大好きな『一途な犬〜』収録の『対岸の犬を呼んで』からのスピンオフ。ホイップは『対岸』にチラッとしか出てきませんが、本作にガッツリ登場する世田と湘吾のベースが『対岸』にあって、『対岸』を読んでいると二人の言葉がずっと響くと思います!
●前作が好きで本作は絶対拝読するつもりだったのであらすじ全然読んでいませんでしたが、攻受ちゃんと書かれてたんですね。凌、ずっとめちゃくちゃ攻顔だったじゃん…驚きました!
●あまりBL読んで泣くことないのですが、1話からダメでしたね…。通話だけの繋がりで少しずつ心を寄せていた二人。凌は会いたかった気持ちを素直に出して、感じたままを口にした。千歳は女装やゲイであることを揶揄されたと感じて傷付いた。出会ってからずっと、お互いに相手のこと大事にしたい、自分を好きになってほしいって思ってるのに、うまく噛み合ってくれないのが切ない。
●“ゲイである千歳”を理解することを良かれと思っている凌。“ノンケの凌”には女の姿でないと愛してもらえないと考える千歳。女装をめぐるやり取りは心臓がぎゅっとなります。好きだからこそ素の姿の君に会いたい、好きだからこそ女装を偽りだと言ってほしくない、どちらも本当の気持ちなのに…
●「あいつのことを知りたいのか、ゲイのことを知りたいのか」というセリフが湘吾から出てくるのが強烈でした。彼は前作からずっとブレない。千歳と世田は似てるんです。「自分はゲイだから」「あいつはノンケだから」と枠組みで括って怖がってる。
●最後は「“女装ゲイ”と“ノンケ”」じゃなくて「“千歳=ホイップ”と“凌”」になれる二人。「優しくありたい」と願う二人に心揺さぶられました。良かった!
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