噛んで噛まれて口づけを
」のレビュー

噛んで噛まれて口づけを

西原ケイタ

繕うより自然な姿が一番いい

ネタバレ
2022年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 8年も片思いしていた笹本に彼女ができて失恋してしまった羽鳥。片思いが長すぎて誰とも付き合ったことがない羽鳥は半ば自暴自棄な感じで夜の街へ行き、そこで出会った売り専の透に抱いてもらうことになる。

初めての経験でいっぱいいっぱいになった羽鳥は約束の料金を支払わずに帰宅してしまい、偶然再会した透に怒鳴られ脅され、終いにはオナ ホになれと言われてしまう。


出会い方が悪かったせいで、透の好感度はマイナスからスタート。羽鳥も笹本に透との関係を知られたくなくて言いなりになるしかなく、暫くの間、透が嫌で堪らなかった。

でも、透が抱えている事情や本来の性質が見えてくるとマイナスから徐々にプラスに変わっていき、逆に笹本の好感度が段々と下がっていくからビックリ。

羽鳥は笹本に嫌われないようにいい友人であろうとして自分を繕い、笹本もそんな羽鳥に甘えきっていたから本当の意味での友人ではなかったのだろうな。素の自分でいられる相手に心を奪われるのは当然で、笹本と羽鳥がもっと早く素の自分を晒していたら違う未来があったのかもしれないけれど、繕った姿しか見せてこなかった二人では長く続かないだろうし、笹本は女の子にフラフラして羽鳥を泣かせる結果になっていたはず。


脅し脅されの関係が結構長かったから、透と羽鳥のいちゃラブが少なめで淋しい。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!