溺愛竜神と輪廻の恋
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溺愛竜神と輪廻の恋

かわい恋/えとう綺羅

結局解決していないと気付かされる

ネタバレ
2022年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初表紙を見たとき5○かと勘違いして思わず試し読みしてみましたが、全然違いましたw

龍神様を敬愛する少年ロカと、ロカのため転生先まで追いかける龍神様の輪廻転生を超えた愛のお話。

ここだけ書くと単なるストーカーに見えなくもないですがw、なかなか感動的なお話でした。

母の罪(罪と言えるものでもありませんでしたが)のせいでその身に呪いをかけられ、イン花の印まで付けられたロカ。
生まれ変わっても決して幸せになれないし、非業の死を遂げると呪いをかけた神官に告げられます。
その言葉通り、ロカは何度も転生し、そのたびに非業の死を遂げる。

転生先の話が短編調で入っており、色んな形の愛(夏季以外はどれも悲恋ですが)が楽しめます。
個人的にはロカとアンジェロの話が好き。

とくにアンジェロパートは、転生順を最後に持って行って幸せにしてあげて欲しいくらい切なかった。
というより、これだけで1冊の話にして欲しかった…もっとしっかり読みたい。
最後に“愛”と床に書くシーン…めちゃくちゃ泣きました。

色んな話が入っているせいでどうしても端折り感があり、いまいち感情移入できない部分も多いです。
とくに2番目のリーアム(あれよあれよという間に死)と、最後の夏季(過去を思い出すのが唐突過ぎ)は微妙。

最後が夏季のため、そして次の転生でも探してね…と言っているということは、呪いは解けたけれど、結局龍神様がロカを探す旅は終わることがないのだと気付いてしまい、これはハッピーエンドと言えるのか?? という気持ちになってしまい、読後感は微妙。

ただ、ロカとアンジェロの切ないお話が良かったので、そこだけのために読み返したいかな。
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