らーめん再遊記
」のレビュー

らーめん再遊記

久部緑郎/河合単

ラーメンシリーズ第3弾はプロレスが肝?

2022年4月20日
ラーメン発見伝以降続く原作・久部緑郎、作画・河合単のらーめんマンガの第三弾。

今回の主役はシリーズ前作らーめん才遊記でも主役を果たした芹沢達也(通称ラーメンハゲ)であり、物語の舞台も前作より時系列的に後年の世界になっている。
かつてラーメン文化の発展のために尽力し、優れたラーメンを次々に送り出すことに成功し、ラーメン業界の盛興を成し遂げた芹沢は、だがしかし誰にも言えない悩みを抱えていた。

加齢によるものか、地位が上がりすぎた弊害か、ラーメンに対する熱意が冷めていく危機感に怯える芹沢は、迷いを抱えたまま日々を過ごすようになっていた。
彼の心を掴むのは、今も昔もラーメンだけ。されども彼は自身に問いかける。ラーメンとは一体何なのか?その過去は、現在は、そして未来においてはどのようなものになっていくのか。そして、ラーメンと自己の関りはどうなっていくのか。その答えを探して芹沢は今日もラーメンと向き合う。

即ちラーメンを食って、作って、食べてもらって食べさせてもらって、そうやってラーメンと芹沢はラーメンの螺旋階段をぐるぐると回り続けるのだ。

さて、タイトルに冠してある通りにラーメンの話がメインだが、時折挟まれるプロレスやロック音楽などのサブカルネタが話がラーメン臭くなりすぎるのを防ぎ、程よいアクセントを生み出している。言ってしまえば箸休めであるが、地味にクオリティが高く癖になる味わいを醸し出している。
ラーメン漫画だけどラーメンだけの漫画ではないのだ。あくまで個人の感想だが。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!