このレビューはネタバレを含みます▼
親同士の再婚で6年間義兄弟だった恭一と松真、沖縄を舞台に夏の日差しや草いきれや汗や涙のしょっぱさが伝わってくるような叙情的な作品でした。恭一に告白された松真の葛藤を描いていくストーリーで双方に思いを寄せる人物が現れます。登場人物の見た目が年齢よりちょっと子供っぽいかなと思いますが、表情が様々に変化する雰囲気のある絵でとてもよかったです。一読して割合サラサラ進んだような気がしますが、何度か読んだらジワルかなとも思います。描き下ろしの前日譚を読んで、今回とは違ったほの暗い作品を描かれるのも上手そうな作者様だと思いました。
2020年1月 総195ページ 描きおろし「過日の裂傷」3p 修正=見えない構図、一部アウトライン。