ゆびさきと恋々
」のレビュー

ゆびさきと恋々

森下suu

Du bist sub

ネタバレ
2022年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ Du bist sub…。ドイツ語であなたは可愛い…。
この台詞が出てきただけで、眩暈がしました。

生まれつき聴覚障がいのある雪とバックパッカーを自分を突き動かす原動力としている、いつ臣。
二人は同じ大学の先輩後輩に当たる関係ですが、学部もタイプも違うことから、本来であれば交わることのない二人。
それが電車で困っている雪を助けたことで運命の歯車が回り始めます。


雪は純粋で可愛らしく心の温かい女の子。いつ臣は一見クールでマイペースですが、雪に対する態度は甘く、とてもストレート。雪を見守る目が優しくて優しくて…。思わずニマニマしてしまいます(笑)
最初は雪に対しての気持ちも雪に構うのも自分の知らない世界に対する興味だったのかもしれませんが、次第に雪に惹かれていく様子が、目の動き、仕草から伝わってきます。
相手を好きになるきっかけは色々だと思いますが、その人を知りたい、自分を知ってほしいという気持ちってもうそれは恋なのかと…。


作者さんの絵も素晴らしいですが、一つ一つの台詞が詩のようで、読んでいてどんどんその世界観に引き込まれていきます。

雪といつ臣の世界が優しくて、温かくて…。いつ臣が時折放つ台詞のあちらこちらに、雪に対する愛情が散りばめられていて、心が温かくなります。


他の登場人物も個性豊かで優しくて、魅力的な人物ばかり。


どうか、二人の世界が優しく温かなものでありますようにと読み進めながら願ってしまいます。


今、更新をとても楽しみにしている作品のひとつです。
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