お狐様の異類婚姻譚
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お狐様の異類婚姻譚

糸森環/凪かすみ

最高に面白い

ネタバレ
2022年4月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 電子書籍6巻やっと発売されました!いつもいい意味で期待を裏切られます。今回は鬼里での話が主でしたが一番のヤマはラスト、宵丸と雪緒の場面でした。宵丸、中々胸の内を明かさないと思っていたら静かにこんなにも恋狂っていたなんて!しかも白月よりヤバそうな執着具合じゃありませんか。宵丸が健気すぎて可哀想で全部読み終わった後もここの場面だけ5回くらい読み直しました。求める恋よりも求められる恋が好きなので、もう宵丸か三雲に捧げてしまえばいいのに!と焦ったい思いをしながら読みました。雪緒が白月を好きなままでも受け入れると言う三雲、自分に心も全て捧げて欲しい宵丸、どっちもサブヒーロー的存在なのでしょうがメインの白月よりも魅力的です。
6巻の雪緒ですが、ラスト宵丸との場面、宵丸が健気な分雪緒のあざとさが目立ち共感しづらかったです。白月の為に最高の駒になるといい、それだけの為に、私欲の為に周りの気持ちを考えず巻き込んで行くようで・・・。自分と白月しか見えてない!白月は元々打算的だし、雪緒もそうなってしまうとこれは二人よがり過ぎてどうなんでしょうか。
そして由良。伽耶のとこへ婿に行くと言う話ですが、これは5巻の悪夢の様な結末にならないと良いですが。「鬼と結託し、雪緒の代わりに長になった宵丸を打つ」。雪緒もこのままだと白桜の長になる様な流れだし、もう悪い予感しかしないです。
雪緒は、雪緒と言う存在は白月が迷子の自分を助けてくれたからこそある、そしてその白月が忘れられない。と言うような事を言っていますが、自分がどこの誰かが分からない分、怪の世界の「雪緒」に縋っている訳で、自分の影、本当の名前を取り戻した時、「雪緒」と言う存在に縋る必要もなくなり白月の呪縛からも解けるのでしょうか。現に2巻では白月よりも本当の自分を知り元の世界に戻る事を選んでいたのだし。宵丸が付け入る隙があるならそこでしょうか?
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