どうしようもない僕の運命の恋
」のレビュー

どうしようもない僕の運命の恋

未散ソノオ

運命のペガサス

ネタバレ
2022年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ うーーーーーーーーーーー。
天井に描かれた羽根の模様が彼の背中と重なって、まるでペガサスのように見えたんですね。それが運命の出会い。
読み終わって、果たしてこれが裏表紙(なのかな)にあるような「童話のような恋」なのか疑問。でもそうそう、ほんとの童話はいつも残酷だった。
最初に出た「おまだめ」の2人が地に足のついた2人なら、こちらは2人とも天上人のような。
絵本作家で画家のミトが抱え込まされたトラウマ。その美しさでヒモとして生きるしか術の無かった幾。
この2人の運命の出会いと絆の深まる様は、御伽噺のように現実味が無いシチュエーションでも実に人間的。
重い過去とそこから浮上していくまでの2人が只々美しいです。
幾のヘンテコなヘアスタイルの秘密も明かされて、もう一度「おまだめ」から読み直したくなりますよね。
お話としては重めだし辛いのに、こんなに気持ちが緩く温まるのも未散先生ならでは。
「タイラント」で究極の愛を読ませて頂いたと思っていましたが、また違った究極がここに。
天上人のような2人が結ばれるための手続きが具体的だったりするのが良いなあ。
この満足感のまま、同人集「ぼくらの時間」も読めるなんて、ありがとうございます〜ヤッホー!
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