魔女の下僕と魔王のツノ
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魔女の下僕と魔王のツノ

もち

色んな要素が詰まった作品

ネタバレ
2022年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ひとつ注意点としては、これは一巻表紙の女の子と青年の歳の差ラブコメではありません。魔法によるTS要素もありますのでそれが受け付けないという場合は難しいかも。漫画自体は勢いのあるギャグ、バトル、ちょいエロ、シリアス、ほのぼのがいい具合に配分されています。そしてなんと言っても内容がとても…とても良いです(語彙力)。TS要素があると前述しましたが、ジェンダーに関する様々なお話に触れられます。当事者として複雑な心情を精いっぱい言語化する人物と、それについて科学的に解説してくれる人物がいることで、ストンと内容が入ってきます。(途中で若干、「これどっちに傾くの?」という恋愛模様もありますが、実際男女では感受性等も変わるので魔法の効力が強くそういう反応になった、と捉えることは出来るかなと思います。)それ以外にも、物語が進む中で様々な種族、住む地域・信じるものが違う人々が集っていきますが、そんな出逢いを経て、自分達がいつの間にか、「自分自身の考え方で、自分自身を縛ってしまっている」ということに気付かされます。『難しいかもしれない。でも、やる前から諦めるのは勿体無い。』そんな温かい言葉がこの物語には詰まっていると思います。最近最終巻が出たばかりですが、改めて最初から読み返すと随所に伏線があり、とても1巻のギャグ具合からは想像がつかない骨組みのしっかりとしたお話だったことが分かります(失礼)。是非多くの人に触れて欲しい作品です。
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