月に笑う
」のレビュー

月に笑う

木原音瀬/梨とりこ

時をかけてたどり着いた

ネタバレ
2022年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ イジメの現場に居合わせたことで交わった信二と路彦。チンピラとお坊ちゃん。共通点があるのなら、2人とも根が真面目だって事かな。生い立ちが違うから、見えるものも違っているけれど。カワイイ中学生だった路彦は成長して大人の身体つきになっても、信二と出会った頃と変わらない気持ちでいるんだって端々でわかる。だから、いくつになっても信二の前でカワイイ顔になっちゃうんですね。信二が好きだから、信二の為に動ける路彦。信二は路彦を思って、入り込ませてはいけないと、頑張るけど、恋心があったら、そんなの無理。2人で逃げるシーンでは、色々考えて路彦を遠ざけようとする信二。信二のことを考えて助ける為にうごく路彦。互いをおもって行動する事にムネアツになりました。強いふうでも、信二は実は繊細で臆病。逆に路彦のほうが大胆で肝も据わってる。だって、信二の為に胸にシリコンなんて!考えるところが凄いのですよ。長く時間もかかるし、痛いことも辛い事もあったけど。一緒を選んだ2人。選べて良かった…。ずっと待ってる路彦は一途で健気だけれどもある意味執着だよね。木原ワールドの中では痛さは軽め。でも、木原ワールドなのは間違いない。一気に読みたくなる作品です。
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