夫はグレーゾーン 単行本版
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夫はグレーゾーン 単行本版

秋野さと

他人事なら面白い

2022年5月4日
自分は発達障害じゃないかと10年程悩んできた者です。主人公の夫は黒に近いグレーっていう感じなんですかね。自分はおそらく白に近いグレーという感じですが、どう頑張ってもどこか詰めが甘く、人生苦労します。自分の様な人間からするとこの漫画はまさに自分事なので、結構面白いけど読んでいて辛いです。
会社にこの夫の様な感じの本物の黒がいた事がありますが、自分を見ている様で本当に怖かったり、尻ぬぐいで毎日深夜残業したり…「頼むから早くこいつをクビにしろ」と思ってました。
でもこういう人から言われるまで自分の異常性に気付かないレベルの人ばかりではないです。特に女性は「真面目なのにミスが多い」タイプが一つの典型らしく、診断がつかないと投薬による改善も期待出来ず、挫折を繰り返した結果鬱を発症していくケースが多い様です。
発達障害を題材にするなら、かえって偏見を広める事がないように様々なタイプの発達障害者を取り扱うオムニバス形式の方がいいのではないかと思います。
ほんとこういう奴いるよねーうざーって、自分と無関係な人は思うんだろうけど、「自分もこれかも…やっぱり一生治らないんだ」みたいに追い詰められてしまう様な読者もいるんじゃないかな。
作者は多分ご自身の経験や何か思うことがあってこの題材を描く事にされたんだと思うけど、ご自身の主観だけでなく発達障害と言っても色んな人がいるという事を踏まえて作品作りをされて欲しいです。
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