異世界の沙汰は社畜次第
」のレビュー

異世界の沙汰は社畜次第

八月八/大橋キッカ

脇キャラまで魅力溢れる!

ネタバレ
2022年5月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主役のコンドゥと第三騎士団団長アレシュ様は勿論の事、脇キャラも良〜い!皆個性がしっかり描かれている。最初はただの「聖女オンリーバカ」と思っていたユーリウス王子が実は国の事を真剣に考えていたり、公表していない腹違いの弟ノルベルト(貴族だけど一般職員扱い)に対しての気遣いを見せていたりと。細かい描写があちこちにある。
アレシュの従兄弟の副団長オルジフさんの観察視点も面白い。アレシュの観察だが、その一人ごちする姿からオルジフさんの人となりがよく分かるようになっている。
私のお気に入りは宰相のカミルさん。最初は国を動かす事を優先させ、コンドゥを利用するだけの(実際そうだが)冷血だと思わせておいて実はとても人間くさい。国に利があるコンドゥの事をかっているのは勿論だが、コンドゥの私利私欲の無い(無意識な社畜)姿に心を打たれたのだろう。違う感情を持ち始めたが、決してアレシュとの間に割り入ろうとはせずに、だがアレシュの眼前でさえハッキリ言葉を伝える姿が格好イイ!男性に使うには変な言葉だが、完熟したセクシーな大人って感じが素敵。他の悪役まで細かな性格描写で描かれている。色んな登場人物に感情移入させる作者様は手練れだ。しかし…やはり皆の言う通り。アレシュは獣だ。しかも猛獣黒豹のよう。賢く狙った獲物は逃がさない…。コンドゥ頑張れ。
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