ワールドトリガー
」のレビュー

ワールドトリガー

葦原大介

たしかなまんぞく

2022年5月10日
現代の文明では抵抗できない
異世界からの侵略と、それに対抗する組織。

“ゲート”と呼ばれる異世界からの出口が出現するこの街で暮らす一人のクソ弱い主人公のクラスに、異世界からやってきたチート級の強さを持った転校生がやって来る。

うん。これだけ書くとよくあるチープなSFです。

しかし、この架空の街は大変よく作り込まれていて、実際に存在する世界をレポートしたかのよう。

先に短所を挙げておきます。
まず、登場人物が多い群像劇。
主人公、三雲修がクッソ弱い(対人戦闘が)ので無双しない。
さりげない伏線が物語を邪魔しない描写で散りばめられ
非常に中毒性が高く、何度も読み返してしまう。

スカッと主人公が『俺TUEEE』する漫画を読みたい方は
別の登場人物を自分の主役に据えると良いでしょう。

長所は、多々ありますので読み手の数だけ。そして読み返した回数だけ楽しみ方が有ると云っても過言ではありません。

そして、他の漫画と明らかに違う点を挙げますと、
多人数の同時対戦の描写が明らかに別次元です。

普通のバトル物はチームバトルと言いながらタイマンが並行し
敵味方問わず強者を際立たせるため、強さのインフレが起こります。

この漫画では強さに説得力を持たせながら、刻一刻と変わる戦況を、登場人物の格を落とさず、絡めていくため脳の消費カロリーが高く読後の充足感を満たしてくれるでしょう。

主人公が仲間と出会い、異世界とどう関わって成長していくのか。
あなたも、この街で共に闘ってみて下さい。
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