イノセントの剥製
」のレビュー

イノセントの剥製

有木映子

剥製であっても確かに存在するイノセント

ネタバレ
2022年5月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 171ページ。
駆け引きたのしい!タイトルも秀逸。騙し合いの中のホンモノの恋心、良いです。
「純」の直感型なキャラクターが良かったです。こういうタイプには「磯崎」タイプは敵わないんだろうな〜。「磯崎」は余裕あるそぶりはしてるけども、最終的な主導権は「純」が握っていると見た。そうであれ。
宣伝文句になってる「色仕掛けするんなら自分が溺れてんじゃねえよ」に関しましては、ちょっとぉ〜それ誰に向かって言ってんのぉ〜?ってニヤつきが抑えられませんでした。
二人の正体に関しては、いろいろ詳しくないのでリアリティーの有無に関してはわかりません。でも、お互いの立場を守った上での頭脳戦だとわかるので充分でした。
ハヤトくんの行方はちょっと気になります。無事でしょうか。
惜しかったのが、描き分け不足で……。星マイナス。
ホスト役の時と正体を明かした時の見た目が、髪型だけでなく髪のトーンも変えられてしまっているので、読んでるこっちもちょっと同一人物なのか自信がなかったし、「磯崎」が一目でホストの「純」と同一人物と気付いたかどうかが読み進めないとわからなかったです。あのシーンで得られるはずのスッキリ感がモヤついてしまったのが非常に惜しい。
同録「研究室の主」不器用先輩と器の大きい後輩がスタート地点に立つ話。ラストでの先輩、焦りすぎてひどいけど、それを許してもらえる相手だから、これからがんばれ。
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