このレビューはネタバレを含みます▼
3作は、おさななじみ上下巻とlickは表題作のみと贅沢です。
pixivでファンだったので3作同時、大変嬉しい。
しかし、表紙の爽やかさと裏腹に闇、執着、嫉妬。人を選ぶストーリーだと思います。
BLには珍しい幼馴染みミチコの女子視点から始まり、各話登場人物を切り替えながらストーリーが進む漫画の枠を越えた、小説と同時に読んだ様な斬新さ。
各視点により人物の多面性が見え深みが増す。
ゆうまの壊れた内面を見せつけられ畏怖を感じる。ですが下巻を読んで少し変わります。
ゆうまは先天的なものです。
共感性が薄いが、自分が傷付けられる事に疎い訳ではない。興味の視点が違うのかなと思いました。限りなく菩薩に近い普通の感性のミチコと出会えた事は僥倖でしたね。
彼なりの正義としてミチコを守って居るのでミチコに傷付けなければ無害です。
寧ろあの男子3人組の方が危ないですよ。
普通を学ぶ事は難しいのですが、ゆうまは器用なんですね。
反対に大谷は後天性のものかなと。そして不器用で素直。
ゆうまと大谷。2人は過去辛いときに自分を認めてくれる人に出会っています。ゆうまはミチコ。大谷はゆうま。性愛と愛、どちらを感じるかで2人はすれ違いが生じてしまうのは複雑でした。
これ家族との在り方も関わってますよね。
度々ゆうまは「親を泣かせないように」大谷の家族写真をみて「愛されて育ったんだね」と、もしかして親の愛情もミチコに求めていたのかな。そう考えるとミチコのスルースキルはスゴい。個性として認めつつ、適度に流す。
ミチコに彼氏が出来たことで自身の心を見つめ直す。
ゆうまの心を知るほど大谷が不憫でした。
本当にずっーと対等じゃ無かったんだな…。
嫉妬を知ることで変わる。
共依存かもしれませんが、2人なりの愛の形に拍手です。ミチコちゃんにも拍手。
最後まで読むとタイトルはダブルミー二ングだと分かります。
凄い作家さんでした。ちなみに紙だと3作同時購入(とらのあ○)で8ページ小冊子ついてきます。
しかし作品が秀でてると、皆様のレビューも深い。
はぁレビューも面白いなぁ。
そして次はpixivのリーマン天使の話が読みたい!先生楽しみに御待ちしてます。