冷めない微熱で とかして みたして 【短編】
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冷めない微熱で とかして みたして 【短編】

あやみね稜緒

表紙が絶妙!

ネタバレ
2022年5月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●本文39P。立読みで分かりますが、実父との過去があるので苦手なかたは注意です(直接描写はここだけ)。絵も綺麗で、ディープめの設定、短編なのに考えさせられる展開、えっちも色っぽく、良かったです。
●尚也と父親との関係は、結構難しい。そうやって求められることを尚也も望んでいたような気もするし、でも傷付いていた描写もあって…これが唯一の肉親との最善の在り方だったんだろうか…詳しくは描かれてないけど、掘り下げて読んでみたかった。
●ずっと尚也のそばにいる陽平が、ただのかわいい番犬わんこかと思いきや執着系!という設定は必要だったのかな…(個人的には健全なわんこの方が好きなので…)まぁでも「好き好き大好き」がエスカレートした形なので、寂しがりで不安定な尚也にはちょうどいいかも。
●いつからか陽平の手の熱さに安らぎ以上のものを求めるようになってしまった…というのは、もうなるべくして、という感じ。だって陽平の方も、それ以上の熱をもって触れているから。尚也も満たされることを怖がらずに、陽平の熱を受け止めてほしい。
●綺麗だなぁと思って購入のきっかけになった表紙ですが、改めて見てみると…父親と幼い頃の陽平の手の熱さが、尚也を形成してるんだろうな…ずっとその熱を求めてしまってたのでしょうね。良い短編でした。
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