3年目の独占欲【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
」のレビュー

3年目の独占欲【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

梶ヶ谷ミチル

高2から付き合い始めて3年目の二人

ネタバレ
2022年5月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『放課後の不純』『おはようからおやすみまで』と続く沢木×水谷のシリーズ第3作。大学進学と同時に同居もスタートし、前作でのGWの事件を越えた夏休みからお話が始まります。別れの危機を乗り越えたことで色々と吹っ切れた感のある二人ですが、今回は水谷のバイト先の店長の紹介で沢木が家庭教師のバイトを始めます。中3の藤井晴くんは、身近に男性がいないせいか大人の男性に興味津々で沢木にもやたらと懐いてきます。体育会系の沢木にはうってつけと思われたのですが、晴が二人の部屋に泊まりに来た夜、寝ぼけた沢木が晴を水谷と間違えてしまいます。沢木よ、おまえもか〜とツッコミ間違い無しの展開ですが、前作の大人な店長とは違い、思春期真っ只中で受験生の晴くんの扱いには慎重を要するのでした。健気な晴くんの想いを聞いても、「沢木は俺のもんだ、誰にもやらない」と真っ直ぐに、きっぱりと言い切る水谷の成長にしみじみしました。巻末のおまけでは、高校に入学した晴くんの新しい恋の予感が垣間見られて安心します。今作では登場しなかった水谷の幼馴染の修ちゃんの恋を描くスピンオフ『夜まで待てない』には沢木×水谷も顔を出しています。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!