スペクタルドラマ!





2022年5月21日
ドラマティック度がハンパない。誰が敵が味方か分からないスリリングな展開でスタートして、陰謀、暗殺、秘密組織、政治・・と様々なことが絡んできます。仲間を殺され復讐のためだけに生きるディックと、冤罪で投獄されなにもかも信じられなくなっていたユウトが刑務所で出会い、劣悪な環境の中で、互いにどうしようもなく惹かれていきます。主人公のユウトの、全てに絶望しながら人を信じ続ける強さと純粋さに胸が痛くなります。ユウトは弱い自分を認識しつつも、その弱さに流されず、全ての物事や人と苦しみながら対峙していく姿がとても魅力的です。どんなに相手が恨むべき人物でも、負の連鎖からは何も生まれないとするユウトの信条が生き方に表れているので、登場する人する人が、皆ユウトに惹かれていきます。他の追随を許さない圧倒的な世界観の構成力ですね。3巻目のラストの海辺のシーンは、「ショーシャンクの空に」を思い出しました。映画のように映像が思い浮かぶ。すごい小説だ。

いいねしたユーザ1人
-
ririko さん
(女性/30代) 総レビュー数:45件